様々な分野でAIによる画像認識が採用されています。
新しく誕生した技術だと考えている方もいますが、実は長い年月をかけて研究され続けた結果、現代で多くの企業で用いられています。
幅広い業界で注目されているので、導入を検討している企業もいるはずです。
そこで今回は、画像認識AIについての詳細やAIによる画像認識技術を用いた応用事例・活用事例などを解説します。
- 目次
- 画像認識AIとは?
- 画像認識AIの応用事例と活用例
- 画像認識AIシステムの仕組み
- 画像認識AI技術を活用したフリーサービス
- 画像認識AIは個人・法人を問わず幅広く活用できる技術
画像認識AIとは?
AIを活用して物や人を認識する技術を画像認識AIと言います。
AIに多くの画像データを読み込ませ、学習を重ねると様々な情報を認識できるようになります。
そのため、画像や映像に映っている物や人の識別が可能です。
画像認識の歴史は意外にも古く、1940年代から活用されているバーコードが始まりです。
バーとスペースの組み合わせによって数字や文字を機械が読み取り、情報を取り込む仕組みとなっています。
1990年代以降からはデジタル化が進んだことで画像認識技術にさらなる広がりが見えてきました。
2012年には、世界的な画像認識コンテストの「ILSVRC」が開催され、トロント大学の研究チームによる「Super Vision」と呼ばれるシステムが圧勝し、一気に注目を集めたのがディープラーニングです。
機械学習のニュートラルネットワークがベースで、ディープラーニングは中間層を複数持たせているので複雑なデータの処理も可能となっています。
また、ディープラーニングの物体検出技術や画像認識技術があることで、コンピュータビジョンが実現されています。
コンピュータビジョンとは、動画や映像から人物や物を識別させる分野で人工知能の下位分野の1つです。
人間の視覚をコンピュータで再現する技術を指しています。
車の自動運転時に歩行者や車両を回避するための技術や、スマートフォンからログインする際の顔認証などで実用化されました。
単純作業が得意だとされてきたコンピュータですが、AIの活用によって人間の視覚以上の識別精度が実現されています。
その結果、慣れやミスといったヒューマンエラーの減少を見込めます。
定型作業を自動化しているので、作業時間の削減も可能です。
画像認識AIの応用事例と活用例
画像認識AIの応用例をピックアップしてご紹介します。
どういったことに使用されているのかを知り、自社にも取り入れられるか判断してみてください。
画像分類
画像の中に「何が入っているか」を判断して画像をカテゴリごとに分類することを画像分類と言います。
例えば、犬と猫の画像を機械学習で読み込ませた後、新たに犬の画像を読み込ませると自動で犬のカテゴリに分類します。この作業を画像分類と呼びます。
【画像分類の事例】
画像認識による画像分類では顔認証システムが代表的な事例の1つです。
Panasonicでは空港に顔認証システムを導入し、作業の効率化を図りました。
パスポートに登録されたICチップの顔写真をゲートを通る際に撮影した顔の画像を照合させて本人確認を行う仕組みです。
空港のゲートで顔をカメラに見せるだけで認証が可能です。
待ち時間も短縮されたので導入には大きなメリットがありました。
従来、完成した製品の検品作業は人間が行ってきました。
しかし、最近では画像分類の技術を用いることで機械による検品作業が実施されるようになったのです。
仕組みとしては、正しい製品画像を学習させて完成した製品画像を読み込ませるといった流れです。
万が一欠陥品があれば分類によって検知されます。
より良い製品の提供が期待できる技術です。
物体検出
画像や映像の中から物体を検知する技術を物体検出と呼び、画像や映像の中にある物体の種類や個数、位置などを認識できる技術です。
製造業や医療、建設業など、幅広い分野で導入されています。
【物体検出の事例】
信号や標識を認識する技術を用いることで、人間に代わって自走する技術を搭載できます。
今後、人間よりも状況の判断が実現できれば、自動運転がさらに本格化されていくと予想できます。
製造業では、人間の目視での検査をAIに任せられます。
正確な形状とは異なる製品をAIが検知できれば、生産の効率化が図れます。
株式会社キューピーは画像認識技術を食品工場における不良品の検知に運用しています。
防犯分野では、監視カメラに映った不審者を検出できます。
技術がより進化を遂げれば、検出した不審者を追跡する技術も期待できます。
画像検索
たくさんある画像の中から、似ている画像を瞬時に検索できる技術を画像検索と言います。
画像認識AIによる画像検索に関しては、サイトやアプリでサービスが提供されているため、使用した経験がある方もいるはずです。
【画像検索の事例】
カメラで読み取った画像データに含まれている文字を認識してテキストデータとして出力することをOCRと言います。
企業でも電子インボイスやシステムの変更、業務フローの変更といった部分でOCRの活用が増えています。
郵便番号の読み取りでも活用されている技術です。
また、家計簿アプリでレシートを撮影し、読み込むことができます。
ネットショッピングを活用している方は多いです。
最近では画像検索を用いるECサイトも増えています。
システムとしては、持っている画像をアップロードすることで、読み取ったアイテムに似た製品を探してくれるサービスです。
自分好みのアイテムが探しやすくなっています。
画像生成
入力したテキストに合わせた画像を自動で生成してくれる技術を画像生成と言います。
例えば、「犬 歩く」を入力すると、キーワードに合わせた絵を描いてくれる仕組みです。
存在しないシチュエーションといったユニークな画像を作成できます。
【画像生成の事例】
AI画像生成では、イラストを自動生成してくれるサイト・アプリが誕生しています。
与えられた文字から連想されるイラストを描いてくれるため、入力する文字によるイラストの違いを楽しめます。
イラストレーターが描いてくれたような質の高いイラストが瞬時に入手できる点がメリットです。
AI画像生成ツールの中には似顔絵を作成してくれるサービスもあります。
これは、キーワードをテキストで入力するのではなく、写真をアップロードして描いてもらう仕組みです。
自撮り画像や記念に撮影した写真を似顔絵にしてもらえます。
名刺やSNSのアイコン、ウェルカムボードなどに活用できます。
画像認識AIシステムの仕組み
画像認識では、識別機に画像データを入れて学習させる作業が必要です。
その際には、コンピュータが画像を認識しやすくなるようにノイズや歪みなどを取り除くための処理を実施します。このことで対象物の輪郭を抽出し、背景などと区別ができるようになります。
機械学習では、データからコンピュータが自動で学習していき、ルールやパターンを発見して画像の特徴を抽出していきます。
その結果、該当するものを識別する仕組みが画像認識の基本です。
画像認識で機械学習を行う際に活用されるアルゴリズムにはニューラルネットワークやサポートベクターマシン、正則化、ボストンマッチングなどが挙げられます。
これら複数のアルゴリズムを活用して、学習しているルール・パターンに合致するものが写っているかを判断していきます。
近年では画像の特徴を抽出する作業を半自動で行える、ディープラーニングが活用される場面が増えています。
ディープラーニングでは、畳み込みニューラルネットワークと呼ばれるCNNが用いられるケースが多いです。
機械学習は何を覚えさせるのか、すべて手動で行う必要がありますが、ディープラーニングなら認識する画像の特徴を自ら判断し、目的に合わせて学習していきます。
そのため、複雑でわかりにくい画像だったとしても特徴を抽出し、識別することが可能です。
画像認識AI技術を活用したフリーサービス
最後に画像認識AIを活用したフリーサービスをピックアップしてご紹介していきます。
どのようなサービスがあるのか見ていきましょう。
喋るアバター機能を持つ動画編集サイトVidnoz
Vidnozが提供している喋るアバター機能を使用すれば、自分が考えた文章をアバターに話してもらうことが可能です。
アバターは、Vidnozで用意しているモナリザを始め、男性や女性のアバターのほか、自分で用意した写真を使えます。
サイトにアップロードをすれば、静止画から動画の作成も容易です。
アバターが話せる言語は、英語・スペイン語・フランス語・オランダ語・ポルトガル語・ドイツ語・イタリア語・スウェーデン語で、男性と女性から選べます。
社内研修動画や説明動画やカスタマーサービスの活用など、活用できる範囲は豊富です。
様々な言語を話せるので、国籍を問わず理解できる動画作成が可能となり、企業でも導入しやすいでしょう。
使い方も簡単で、写真や画像を選択したらテキストを入力するだけで、喋るアバター動画が作成できます。
音声速度の変更も可能なので、自由に動画作成をしてみましょう。
画像認識できるアプリGoogleレンズ
目の前にある物を調べたい時に有効なフリーサービスがGoogleレンズです。
スマートフォンのカメラに情報が欲しい被写体を写すと、類似する画像や関連するコンテンツを探し出してくれます。
例えば、名前の知らない花について調べたい時に、花の写真を撮影して検索すると、花の名前を知れるだけではなく育て方などの情報も知ることができる仕組みです。
Googleレンズ解析対象物は文字・建物・ワイン・楽譜など、どんなものでも調べられます。
文字の場合は、翻訳や単語の意味を調べられます。
外国にある看板やメニューなど、分からない時に役立つサービスです。
また、ショッピングメニューでは、見て気に入った物を写真撮影して検索すれば、販売しているお店を調べられます。
欲しいものをすぐに購入できる便利なサービスです。
画像認識AIは個人・法人を問わず幅広く活用できる技術
画像認識AIは既に様々な場所や企業で導入されています。
企業で導入すれば、業務の効率化が図れるだけではなく、コスト削減やより良い製品の製造にもつながるでしょう。
今後も様々な企業で、画像認識AIは導入されていくはずです。
また、個人でも活用できるサービスは豊富にあります。
今回ご紹介したVidnozの喋るアバター機能を持つ動画編集サイトやGoogleレンズ以外にも、様々なアプリがリリースされているので、気になったものがあれば活用してみてください。
包括的な動画作成・自動化プラットフォームーVidnoz
動画の作成、カスタマイズ、共有、視聴データの分析を一括で行うことができ、作業の効率を向上させます。
- 内蔵の画面録画機能を使って、説明動画やチュートリアル動画の作成に役立てます。
- 動画にクリック可能なCTAボタン、投票、ユーザーフォームを追加して、インタラクションを強化します。
- 動画をメインのプラットフォームに一括で共有可能です。
- 詳細なインサイトにより、動画のパフォーマンスを追跡できます。