AIレコメンドは、おすすめのサービスや商品をAIが分析・提示する手法を指します。
顧客の購買履歴をAIがチェックし、それぞれの趣味嗜好に合わせた商品をおすすめします。
店員が対人で行っていたサービスですが、AIを活用しオンライン上で行うといったイメージです。
今回は、AIレコメンドの仕組みや事例、導入時の注意点、AIレコメンドを作るためのステップについて解説していきます。
- 目次
- AIレコメンドとは?AIレコメンドエンジン種類2つ
- 代表的なAIレコメンドエンジンの仕組み・事例
- AIレコメンドエンジンの優勢と導入時の注意点
- AIレコメンドの作り方3ステップ
- オンライン営業をサポートするツールーVidnoz
- AIレコメンドのまとめ
AIレコメンドとは?AIレコメンドエンジン種類2つ
AIレコメンドは、AIとデータを駆使し、一人ひとりに合わせた提案をできるようにする魅力的なツールです。
まずは、AIレコメンドエンジンの種類から解説していきます。
ASP型(Application Service Provider)
ASP型は、技術力が高くなくても導入できます。
コストを抑えつつ、簡単に導入できる種類となっています。
クラウド上で利用できるケースが多く、スマホからもパソコンからもアクセス可能です。
ただし、カスタマイズはできないので自由度はそれほど高くありません。
オープンソース型
オープンソース型はカスタマイズ性が高いため、柔軟な施策ができます。
ただし、サーバーの準備や管理は自社で行う必要があります。
また、コストもかかるので大手サイト以外で導入されているケースは非常に少ないです。
代表的なAIレコメンドエンジンの仕組み・事例
続いては、各AIレコメンドの仕組みや機能、実際の事例をご紹介します。
協調フィルタリング|AIレコメンド活用事例①
協調フィルタリングは、ユーザーの閲覧や購入履歴などを分析し、今後購入しそうな商品・サービスをAIが抽出します。
協調フィルタリングには、大まかに「メモリベース」と「モデルベース」の2種類に分けられます。
メモリベースはユーザーの行動履歴に基づいたアルゴリズムで、ユーザーベースとアイテムベースに細分化されるものです。
モデルベースはメモリベースで蓄積されたデータを用いることで、データの規則性から予測します。
エノテカ株式会社のエノテカ・オンラインでは、味わいベースレコメンドを導入し、「あなたへのおすすめ商品」からの購入率をアップさせることに成功しています。
導入前は価格帯が異なるワインが表示されるケースも多かったと言いますが、AIレコメンドを導入してからはそのようなこともなくなりました。
ワインの特性に合わせたレコメンドが行えるようになったため、購入率のアップにつながったと言えます。
コンテンツベースフィルタリング|AIレコメンド活用事例②
コンテンツベースフィルタリングは商品に特徴を付与することで、似た特徴を持つ商品を推薦するアルゴリズムです。
対象となるユーザーのデータがあれば推薦ができます。
単語の類似性を用いたり、教師あり学習を用いたりする手法もコンテンツベースフィルタリングに分類されます。
ユーザーに関する情報がそこまで必要ないため、実装は比較的簡単です。
しかし、アイテムに関するデータは多く準備しなくてはなりません。
アイテムに関するデータ量が少ないと、効果的な提案ができない可能性が高まってしまいます。
Netflixではコンテンツベースフィルタリングが取り入れられています。
ユーザーが視聴したドラマや映画などの情報から似ている作品を紹介するという仕組みです。
好みに近い作品を紹介してもらえるので、満足度の向上にもつながっています。
多くの作品を配信しているサービスだからこそ、有効活用できている事例だと言えるでしょう。
ポピュラリティーベース|AIレコメンド活用事例③
ポピュラリティーベースは、AIを駆使して人気ランキングを提供するAIレコメンドです。
気になるジャンルの商品・サービスでどれが人気なのか知りたいと考えるユーザーも少なくありません。
そのため、ポピュラリティベースを活用する事例も多く見られます。
株式会社ビースタイル メディアの「しゅふJOB」は、ポピュラリティベースを導入しています。
全国一律ではなく、求職者の行動履歴に基づきエリアごとのランキングを出している点がポイントです。
ハイブリッド|AIレコメンド活用事例④
ハイブリッドは、これまでに紹介した複数のアルゴリズムを組み合わせたものです。
例えば、白いコートを探している人への関連商品としてブーツを紹介するというコンテンツベースフィルタリング、30代に人気のファッションブランドアイテムという協調フィルタリングを同時に行うこともできます。
ユーザーの属性やアイテム・コンテンツのジャンルなど、多岐にわたる切り口からレコメンドできる方法です。
様々な視点から商品やサービスを提案したい場合におすすめです。
EXest株式会社の「WOW U」は、通訳案内士が考案するアクティビティプランと外構準旅行客をマッチングするプラットフォームです。
AIを駆使し、様々なニーズに応えられるプランを提案できます。
インバウンドが再燃している現在、需要が高いサービスと言えるでしょう。
AIレコメンドエンジンの優勢と導入時の注意点
AIレコメンドを導入する上で、優勢となっている部分や注意点を把握しておく必要があります。
【優勢】
AIレコメンドが優勢となっている部分は、パーソナライズされた商品・サービスの推薦を効率的に行えること、連鎖的な注文につなげて売上アップを実現することなどが挙げられます。
協調フィルタリングやコンテンツベースフィルタリング、ポピュラーベース、ハイブリッドフィルタリングなどを駆使したおすすめ商品・サービスを提案できるため、売上を高めたい場合にも効果が期待できます。
【注意点】
AIレコメンドは導入したら後は放置すればいいというわけではありません。
適切に動いている状態を維持するためには、定期的なモニタリングや微調整が必要不可欠です。
モニタリングなどを実施するためのコストもかかってしまいますが、放置すると推薦バイアスの低減につながってしまいます。
また、ユーザーのプライバシーに関する懸念点もあります。
顧客データがないとレコメンドエンジンは効果を発揮しなくなってしまうのです。
効果的に運用するには、データの安全性やアルゴリズムの透明性などを理解してもらい、柔軟に対応できるインターフェースを活用することがポイントになります。
AIレコメンドを導入する際は、このような点を把握しておく必要があります。
これらを理解した上で導入すれば、より効果的な運用を実現しやすくなるでしょう。
AIレコメンドの作り方3ステップ
AIレコメンドを作るためには、適切な手順を踏む必要があります。
最後に、どのようなステップで作られていくのか解説していきます。
Step 1. データの収集・分析
まずは、データの収集や分析を行います。
AIを活用するため、ユーザーなどのデータは必要不可欠です。
情報が少ないと、AIを頼ったとしても思うような効果が得られない可能性もあります。
Step 2. 適応なAIアルゴリズムつまりレコメンドエンジンの選択・トレーニング
情報収集などを済ませたら、レコメンドエンジンの選択とトレーニングを行います。
どのレコメンドエンジンが適しているのかは、それぞれの状況・環境によっても異なるので一概には言えません。
どのように運用したいのかをあらかじめ考えておき、適切なAIレコメンドを選ぶようにしましょう。
ユーザーの満足度を高めたいのか、売上アップを目指したいのかなどの目標を決めることで、適したAIレコメンドを見つけやすくなります。
Step 3. AIレコメンドの実施・改善
レコメンドエンジンの選択とトレーニングを済ませたら、実施するフェーズへ移っていきます。
ただ運用するだけではなく、定期的にモニタリングを行い、改善点が見つかったら早急に対応するようにしましょう。
オンライン営業をサポートするツールーVidnoz
Vidnozはオンラインの営業、マーケティング、セールスなどをサポートしているプラットフォームであり、オンラインビデオ編集ツールのVidnoz Flexには、次のような特徴があります。
包括的な動画作成・自動化プラットフォームーVidnoz
動画の作成、カスタマイズ、共有、視聴データの分析を一括で行うことができ、作業の効率を向上させます。
- 内蔵の画面録画機能を使って、説明動画やチュートリアル動画の作成に役立てます。
- 動画にクリック可能なCTAボタン、投票、ユーザーフォームを追加して、インタラクションを強化します。
- 動画をメインのプラットフォームに一括で共有可能です。
- 詳細なインサイトにより、動画のパフォーマンスを追跡できます。
上記の製品に加え、Vidnoz社は多くの無料オンラインAIツールを提供しています。例えば、次の2つである。
・おしゃべりアバター
・音声読み上げ
AIレコメンドのまとめ
今回は、AIレコメンドサービスの仕組みや事例についてご紹介してきました。
多くのサイトで利用されているため、知らず知らずのうちに使っているといったケースも珍しくありません。
導入することで売上や顧客満足度の向上につながるため、企業にとってもメリットが大きいと言えます。
注意点も理解しておけば、より効果的な運用を実現しやすくなります。