Adobeが公表する「消費者のデジタル体験に関する調査結果の発表」によれば、日本の回答者の57%は、「実店舗・オンラインを問わず、パーソナライズされたエクスペリエンス(経験・体験)に期待している」と答えていました。
このことから、消費者の間でパーソナル化は最も求められる要素のひとつとなっていることがわかります。
その需要に応えたマーケティングを行う際に役立つツールの一つに、パーソナライズド動画があります。
今回の記事では、パーソナライズド動画の概要や仕組み、メリット、市場での活用事例などについて解説します。
- 目次
- パーソナライズド動画とは
- パーソナライズド動画の仕組み
- パーソナライズド動画のメリット
- パーソナライズド動画の市場活用事例
- 魅力的なパーソナライズド動画を活用しよう
パーソナライズド動画とは
「パーソナライズド動画とは何ですか?」
「パーソナライズドサービスとは何ですか?」
パーソナライズド動画とは、一人ひとりのユーザーに最適化された動画コンテンツを意味します。
動画というと、同じ内容のものを不特定多数の人が視聴するのが一般的です。
一方、パーソナライズド動画では見る人の属性・行動履歴・購買行動などの顧客データに基づき、その人の適した内容の動画になっています。
契約の更新やアップセル、商品紹介、個別の提案・診断、集客・リポート来店、見込み客の育成など様々なシーンで活用することが可能です。
例えば、契約を更新するタイミングで、契約内容の確認や新たなプランの提案、付帯サービスを紹介する動画を見てもらうことで、新プランや新サービスの契約に結び付く可能性が高まります。
冒頭で述べたように、日本人の多くがパーソナライズされた体験を求めています。
“自分だけの専用動画”という特別感を与えるので、普通の動画よりも興味や関心の持ち方が大きく変わってくるのです。
ちなみに顧客情報に基づいて的確なものを提供することを、パーソナライズドサービスと呼びます。
インターネットやスマートフォンの普及により、消費者は情報の収集がしやすくなりました。
たくさんの情報を収集できるようになったことで商品やサービスの選択肢も増え、それが消費者の悩みとなっています。
だからこそ、顧客が自分に合った商品やサービスを選択できるように、パーソナライズドサービスが求められるようになったのです。
パーソナライズド動画の作成は専門業者に任せるのも一つの方法ですが、Vidnozのようなツールで自分で作成することもできます。
パーソナライズドマーケティング
顧客ごとの属性や興味・関心、購買行動などに基づいてマーケティングを行う手法です。
One to Oneマーケティングとも呼ばれています。
手法としてイメージしやすいものには、レコメンドが挙げられます。
通販サイトの利用時に、「一緒にこの商品が買われています」といった表示が出ることがあります。
これがレコメンド機能で、顧客がとった行動や閲覧履歴、興味・関心といったデータに基づいて、関連商品やおすすめ商品を自動で表示しているのです。
他にもリターゲティング広告やメールマーケティングなど、様々な手法が用いられています。
パーソナライズド動画も顧客データを元に個別に内容を最適化した動画であるため、パーソナライズドマーケティングに利用できるコンテンツです。
パーソナライズド動画の仕組み
動画には基本となる動画素材と顧客情報(パーソナライズ項目)を組み込んだテキスト・音声などで構成されているのが特徴です。
ベースの動画に顧客情報を組み合わせていき、一人の顧客だけの専門動画に仕上げていきます。
動画に組み込むパーソナライズ項目は、顧客の氏名や性別、生年月日、契約・購買情報などがまとめられた外部のデータベースから抽出されます。
そのため、個別の動画といっても作成にあまり手間はかかりません。
ベースとなる動画を増やせば、より細かくパーソナライズした動画を顧客に提供することが可能です。
また、動画内にボタンを設置し、顧客が選択した内容に応じて再生される動画を分岐させることもできます。
制作した動画は営業ツールとしてはもちろん、個別にURLを発行してSMSやメールなどから動画を発信でるでしょう。
パーソナライズド動画のメリット
視聴者をよりよく知る
視聴ログを分析により視聴者のことをより深く理解できるようになります。
ログから動画のどの部分でクリックされたのか、どのタイミングで離脱されたかなどを把握することが可能です。
分析から顧客が興味・関心を持った部分や逆に離脱につながった要素がわかるので、マーケティング戦略に反映させたり、動画の内容を改善したりすることができるようになります。
顧客体験の向上
顧客体験とは、商品やサービスを認知してから購入、購入・利用後のサポートまでのすべての体験を指します。
顧客と接する全フェーズで価値ある体験を提供することで、愛情や信頼感を持ってもらいやすくなるのです。
パーソナライズド動画では、顧客一人ひとりに寄り添った動画コンテンツで商品やサービスの宣伝などが行えます。
特別感を与えることで、顧客体験を向上できます。
売上の増加
自分用に最適化された動画なので、CM的に作られた動画よりも商品やサービスへの関心度や注目度は大きく異なります。
商品やサービスに対して大きな関心を持てるようになるので、購入や契約といったエンゲージメントにつながる可能性が高まるでしょう。
また、パーソナライズドマーケティングは見込み客の獲得にも有効です。
パーソナライズド動画を使って見込み客を育成していけば、新規顧客の獲得につながり、それに伴い売上も増加します。
ブランド・ロイヤルティを高める
ブランド・ロイヤリティとは、特定のブランドに対する愛着や忠誠心を意味する言葉です。
世の中には類似するブランドがたくさんあるため、ファンを得ることがブランド存続には欠かせません。
パーソナライズド動画によって顧客が向上すれば、結果的にブランド・ロイヤリティの向上にもつながります。
ブランド・ロイヤリティが向上すれば、リピーターの増加や顧客単価の増加といった恩恵も受けられます。
パーソナライズド動画の市場活用事例
各市場では、パーソナライズド動画をどのように利用されているか気になる方も多いでしょう。
ここでパーソナライズド動画の市場活用事例を3つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
保険業界での活用事例
保険業界では、新規顧客に対する個別の提案や契約継続の案内、付帯保険の案内などにパーソナライズド動画が使用されています。
自動車保険を提供するチューリッヒ保険は、保険業界としては日本で初めてパーソナライズド動画を導入しました。
2015年10月から顧客ごとに合わせた内容で、自動車保険の契約継続の案内を配信しています。
今まで文章やメールから個別で案内を行ってきましたが、より素早く必要な情報を把握してもらい、スムーズな手続きを実現する手段としてパーソナライズド動画を用いることにしました。
翌年の2016年からは事故対応の案内にも動画を導入しています。
パーソナライズド動画にすることで、より親しみを感じられるため、契約継続率の増加にもつながると考えられます。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=4TjRlAPA1Ug
菓子・飲料業界の事例
菓子や飲料業界では、販売促進や顧客拡大にパーソナライズド動画が役立ちます。
イギリスの菓子・飲料メーカーであるCADBURY社は、ユニークな動画を作成し、SNSでも話題となりました。
チョコレートと動画リンクのQRコードをプレゼントするキャンペーンを実施し、パーソナライズド動画に視聴を誘導させました。
動画の内容は音楽を流しながら、ボックスに写真や手紙といった思い出を入れていく様子が映し出されます。
そして、最後にボックスはお菓子の箱に変化し、「母へ感謝を伝えるのにCADBURYのお菓子はいかが?」といった旨のメッセージが表示されます。
この動画では視聴者の名前やFacebookからの写真を抽出し、動画に自動で反映させる仕組みとなっていました。
動画マーケティングとしてはSNS上で大きく拡散され、視聴完了率は90%以上となり、周知や顧客拡大につながっています。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=RZYMlSn99e0
建築業界
建築業界でもパーソナライズド動画を取り入れた企業があります。
大和ハウス工業は、業界では日本で初めてパーソナライズド動画配信しました。
同社は家づくりの情報サイト「TRY家コラム」を運営しており、会員登録をすると会員限定でメールマガジンが配信されます。
そのメールマガジンを通じてパーソナライズド動画を会員に配信していきました。
動画を配信した目的は、住宅展示場への来場を促進させることです。
撮影場所は住宅の展示場で、動画にはメールマガジンに登録した際の名前が表示された表札が映ったり、ナレーションにも自分の名前が入ったりしていました。
動画を添付したメールの開封率は約16%、動画再生完了率は80%という好結果を出しています。
また、視聴者のうち1.7%は展示場へ実際に来場しており、動画は来場の促進に大きく貢献しました。
後日行ったアンケートでは、「自分の名前になった表札に親近感が湧いた」「思わず笑った」といった好意的な意見が多かったそうです。
出典:http://www.daiwahouse.co.jp/column/m_gallery
魅力的なパーソナライズド動画を活用しよう
動画は視覚的・聴覚的に物事を短時間でわかりやすく伝えられることから、マーケティングで積極的に活用されています。
しかし、従来の動画には特別感がなく、消費者が求めるパーソナライズに対応できていませんでした。
パーソナライズド動画は個別に最適化された動画であるため、商品やサービスなどの興味・関心、ブランドに対する愛着や信頼感を高めることが可能です。
それにより購入や契約といったエンゲージメントが高まったり、売上が増加したりするなど、良い効果に期待できます。
パーソナライズマーケティングの実現に、ぜひパーソナライズド動画を使ってみてください。
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- 内蔵の画面録画機能を使って、説明動画やチュートリアル動画の作成に役立てます。
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- 動画をメインのプラットフォームに一括で共有可能です。
- 詳細なインサイトにより、動画のパフォーマンスを追跡できます。