YouTubeやニコニコ動画といった動画配信システムを利用した経験がある方もいるはずです。
プライベートのみで楽しむサービスだと考えている方もいますが、現在は企業でも活用するケースが増えています。
動画は、文字よりも記憶に残りやすいため、社内研修やWEBセミナー、マーケティングでは製品やサービスの紹介などに使用されています。
しかし、「本当に効果があるのか」「配信はどうすれば良いのか」と疑問を抱いている方も多いでしょう。
そこで今回は、動画配信システムの仕組みや種類、配信方法といった基礎知識をご紹介すると共に、需要やサービスを選ぶ際の注意点などを解説していきます。
- 目次
- 動画配信システムとは?基礎知識
- なぜ動画配信システムは必要?
- 動画配信システムの選択指標
- 人気動画配信システム4つをおすすめ
- Vidnoz Flex動画配信システムの構築流れ
- 動画配信システムについてのまとめ
動画配信システムとは?基礎知識
まずは、動画配信システムの仕組みや種類といった基本的な内容を解説していきます。
基礎知識を身に付けて、自社に合っているサービスなのか判断してください。
動画配信システムの仕組み
インターネットを利用して映像を配信できるサービスを動画配信システムと言います。
動画配信システムと聞くと、YouTubeやニコニコ動画といった不特定多数のユーザーが利用できるサービスを思い浮かべる方もいるでしょう。
企業向けでは動画形式を変更できるエンコード機能が搭載されたものや情報漏洩に配慮されたセキュリティの高いものになるため、コピーされるといった二次利用を防げます。
動画であればテキストだけでの情報共有とは違い、視覚的にも情報が伝えられるので、従業員に向けての教育用コンテンツやWEBセミナーの配信にも活用できます。その他にも様々な活用方法があるので、取り入れる企業も増えているのです。
動画配信システムの仕組みは以下のとおりです。
①動画をアップロード
②エンコードが実施され動画ファイルの形式が変更される
③ストレージサーバーに動画を保管
④動画の配信
⑤視聴
⑥視聴ログの取得
すべてのシステムで同様の仕組みが採用されているわけではありませんが、大まかな流れは以上のステップで配信されています。
アップロードされた動画は、そのままでは配信に適していないケースが多いため、エンコード処理が実施されます。
エンコードを実施することで、ファイル形式やビットレート、解像度が適した状態へと変換される仕組みです。
視聴ログに関しては、サービスによって違いがあります。
再生率や動画をどれだけ観たのか、といった情報の取得が可能です。
動画配信システムを活用する際には、必ずサービス内容を比較してから選ぶことが大切です。
動画配信システムの種類
次に、動画配信システムの種類について解説していきます。
「オンプレミス型」と「クラウド型」について、その役割やメリット・デメリットをそれぞれご紹介しましょう。
サーバーを自社内に設置し、管理や運営をしながら動画を配信するシステムがオンプレミス型です。
オンプレミス型動画配信システムは、自社内でサーバーを構築しているため、自由度が高い点がメリットの1つです。
機能の追加や連携など、自由にカスタマイズでき、従業員の数が増えた際にも手軽に利用できます。
導入費用が高い点がデメリットですが、大きな追加費用が発生しないためランニングコストが安い点がメリットです。
長期的な利用を考えるとオンプレミス型の方が費用を抑えられる可能性が高いです。
また、セキュリティ面について、オンプレミス型は自社内のみでの管理となるため情報漏洩が起きるケースが低いです。
個人情報を取り扱っている企業や社外秘データを複数持っている企業は、オンプレミス型がおすすめです。
外部にあるサーバーに動画をアップロードして配信を行うシステムがクラウド型動画配信システムです。
初期費用はオンプレミス型と比較すると抑えられていますが、月額費用がかかる点がデメリットです。
しかし、管理が簡単でトラブルが起きた際には自社で対応する必要がないため運用しやすい点がメリットになります。
ただし、カスタマイズできる範囲には限りがあり、自社システムとの連携が取れないケースもあるでしょう。
外部のサーバーを利用するため、セキュリティはオンプレミス型と比較すると低いと言えます。
セキュリティ対策がしっかりと提供されているシステムの選択が大切です。
動画配信システムの配信方法
動画の配信方法にも種類があり、それぞれで定義や特徴が異なります。
- ダウンロード配信
- ストリーミング配信
- プログレッシブダウンロード配信
3つの動画配信方法について詳しく解説していきましょう。
ダウンロード配信とは、PC・スマホなどの端末に動画データをダウンロードして視聴する配信方法です。
データのダウンロードさえ完了してしまえば、たとえネット環境につながっていなかったとしても自由に視聴できます。
いつでも視聴できるメリットがある一方で、ダウンロードが完了するまでは視聴できないことから、見られるまでに時間がかかる傾向にあります。
特にデータ容量が多い動画になると、いつまで経ってもダウンロードが完了しないことから、ストレスが溜まってしまうかもしれません。
また、データを保存する端末側に動画分の空き容量をあらかじめ作っておかないと、ダウンロードしても保存できなくなります。
ストリーミング配信は、動画データを一度にダウンロードするのではなく、少量に分けて送り、受信されたデータから随時再生する配信方法です。
近年はNetflixやAmazon Prime Videoなど、動画配信サービスで活用されています。
ダウンロード配信とは異なり、すぐに再生できることや端末にデータを保存する必要がないことが特徴として挙げられます。
わざわざ空き容量を確保する必要がないため、視聴するユーザーにとってストレスの少ない配信方法と言えるでしょう。
ただし、動画を見るためにはネット環境につながっている必要があり、オフライン環境では視聴できません。
プログレッシブダウンロード配信は、動画データを受信しつつ再生できる配信方法です。
一見ストリーミング配信と同じように思えますが、違いとして動画データは受信さえしてしまえばネットにつながっていなくても再生できます。
これは端末側に一時ファイルとして動画データが保存されているためです。
ライブ配信に関しても若干の遅延はみられるものの、ある程度スムーズな環境で配信できます。
注意したい点は、あくまでも動画データはダウンロードしており端末側に残っているため、空き容量がないとうまく再生できません。
また、キャッシュが残っていることで動画データを抽出し、悪質な利用をされてしまう可能性があります。
セキュリティ面は少し不安が残る配信方法と言えるでしょう。
なぜ動画配信システムは必要?
様々な動画配信システムが提供されている理由には、法人・個人でそれぞれ高い需要が見られるためです。
続いては、動画配信システムの必要性についてご紹介します。
法人や企業向けの動画配信システムの需要
近年SNSやLP(ランディングページ)など、Webサービスを取り入れたマーケティング活動が目立つようになりました。
そんな中で、より多くの情報をユーザーに伝えるために動画が用いられています。
動画は写真・テキストだけの広告に比べて約5,000倍もの情報量を与えられることがわかっています。
商品・サービスの情報をより鮮明に届けるための効果的な手段と言えるでしょう。
顧客エンゲージメントとは、企業側と顧客側との信頼関係を指す言葉です。
このエンゲージメント率が高ければ関係性は親密であると言えます。
近年、顧客エンゲージメントが上がることによって顧客のリピーター・ファン化が促進されることから、マーケティング活動において重要な指標となっています。
動画はより多くの情報を伝えられると上記でもご紹介しましたが、商品・サービスについて丁寧に説明することで、顧客エンゲージメント率の向上も期待できるでしょう。
法人向けの動画は企業から消費者・ユーザーに向けて発信されるもののイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし、実際には内部コミュニケーションの活性化にも役立っています。
例えば、企業のミッションや目標を周知・共有させることで同じ方向性を向くようにしたり、業務に関するノウハウを動画にして研修を行ったりするなどが挙げられます。
個人向けの動画配信システムの需要
自身の作品や考えを広く発信させたい場合に役立っています。
画像や文章だけでも伝わるものはありますが、そういったものだけでは情報が伝わりづらいこともあるでしょう。
動画なら動きがあり情報を伝達しやすいのはもちろん、自身の周囲だけでなく世界中の人に見てもらえるチャンスもあります。
動画配信システムを活用することで収益を生み出すことも可能です。
例えばYouTubeだけでも広告収入・ライブ配信でのスーパーチャット(投げ銭)、メンバーシップへの登録、企業とのタイアップなどの方法で収益を受け取れるようになります。
収益化させるのは決して簡単なことではないものの、自分の好きなことをして稼げるので目指す人は多いです。
実際に、子どもが将来なりたい職業ランキングの上位に「YouTuber」が入り込むほど、夢のある職業として認知されてきています。
ブランディング=企業のイメージがありますが、近年は個人一人ひとりが自身を理解してもらうためにブランディング活動を行うことが重要とされています。
パーソナリティの部分だけでなく、自身がこれまでに経験してきたことや持っている知識、スキルなどを相手に伝えることで、価値を認めてもらうのです。
こうしたパーソナルブランディングにおいても動画が役立ちます。
動画配信システムの選択指標
システムを選ぶ際のポイントをチェックしていきましょう。
配信品質とパフォーマンス
動画配信はデータ量が必要なので保存できる容量のチェックを忘れてはいけません。
データ容量が少ない場合は、高画質な動画や長さのある動画をアップロードできなくなってしまいます。
配信する頻度や動画コンテンツに合った保存容量を持つシステムを選んでください。
また、動画を視聴してもらうなら高画質で綺麗な動画を配信できるシステム選びも重要です。
システムによっては4K高画質映像ができるものもあります。画質が悪いと製品のイメージを損なう危険性もあるので注意してください。
機能と柔軟性(カスタマイズ対応の有無)
動画配信システムを選ぶ際には、機能性についてもじっくりと確認しましょう。
- EC機能
- 決済機能
- 動画の編集機能
- アクセス解析や分析ができる機能
- 申し込みページの作成
- Zoomとの連携
- 多言語対応 など
様々な機能がサービスごとにそれぞれ搭載されています。
内容はサービスによって違いがあるので、必ずチェックしてください。
また、導入する際には必要のない機能でも、サービスを利用していくうちに使いたい機能も出てくるはずです。
その際に拡張やカスタマイズができるかチェックすることも大切です。
また、動画配信システムをコミュニケーションツールとして活用したい場合にはポータルサイトが構築できるタイプであると使いやすいです。評価機能やチャット機能、コメント機能を活用すれば、コミュニケーションも取りやすいです。
他のプラットフォームとの統合
API連携ができるシステムであれば、既存のシステムとの連携が可能です。
機能の拡張ができ、業務の効率化を図れます。
例えば、学習状況を管理する学習管理システムのLMSと連携させると訪問者の分析や動画の再生回数を調べられます。
サービスを選ぶ際に重要な要素とも言えるので、APIを提供しているか確認してみましょう。
コストとアフターサポート
動画配信システムは無料で利用できるものもあれば有料でサービスを提供しているものもあります。
コストを抑えたいのであれば無料タイプがおすすめです。
しかし、有料版と比較すると機能が制限されている点がデメリットになります。
自社の目的を果たせて、なおかつ予算内で収まるシステム選びを行いましょう。
また、アフターサポートの有無も重要なポイントです。
疑問に感じたことや不安な点がある時にすぐに解決できなければ使いにくさを感じてしまいます。
メールやチャットで相談できるシステムが搭載されているシステムもあれば、24時間365日体制でサポートを実施してくれるサービスもあるので、手厚いサポートを提供しているシステムを選べばより安心して利用できます。
人気動画配信システム4つをおすすめ
ここからは、人気のあるおすすめ動画配信システムをピックアップしてご紹介していきます。
配信システム選びで悩んだ際の参考にしてください。
動画配信システム①viaPlatz
viaPlatzは、NTTの子会社が運営している動画配信システムです。
ストリーミング配信なので情報漏洩といったリスクも少ないとされています。
オンプレミス型の動画配信システムも提供していますが、すぐにサービスを利用できるパブリッククラウド型や、クラウドサーバーに企業の動画配信システムを構築してネットやVPN網でサービスを提供しているプライベートクラウド型も提供されています。
パブリッククラウド型は最低限の環境を用意すれば低予算でも利用できる点が特徴です。初期費用は50,000円、月額費用は100,000円となっています。
プライベートクラウド型は、サーバーの購入やデータ契約の必要もなく専用の動画配信システムを構築できる仕組みです。
初期費用は30万円、月額費用も30万円となっていますが、要望に応じて費用は変わります。事前に確認しておきましょう。
基本システムとしては、ブラウザ上で動画編集ができる簡易動画編集機能や動画とスライドを連動して表示ができる機能、動画視聴後にテストやアンケートを実施する機能が搭載されています。
セキュリティ対策も充実しているため、安心して利用できるサービスです。
機能性を知りたい方は、1ヶ月無料のお試しサービスを活用してみましょう。
動画配信システム②Vidnoz Flex
Vidnoz Flexは、オンライン動画作成や編集、共有(メール、リンク、コード埋め込み)、管理などができる動画配信システムです。
動画にはダウンロードボタンや購入ボタン、投票ボタンなどを設置でき、視聴したユーザーの行動を促すことも可能です。
マーケティングで活用すれば、自社サイトへのアクセス数増加を見込め、売上アップも期待できます。
再生インターフェース・ブランドロゴのカスタマイズも可能です。
また、Vidnoz Flexでは再生回数や視聴率、コンバージョン数といった詳細なオーディエンス分析指標の取得も可能です。
データに基づいてマーケティングや動画の改善に役立たせることができます。
Vidnoz Flexは、無料版が用意されています。
無料版は1本30分までの動画を50本保存が可能で、デフォルトのページテンプレートが活用できます。
有料版は年間13,200円で利用でき、動画の作成やアップロードは無制限に行えます。
動画の時間制限もないので、制限なく利用したい場合には有料版の活用がおすすめです。
動画配信システム③クラストリーム
クラストリームは、複数のプランがあるのでニーズに合った動画配信が可能です。
また、配信を視聴するユーザーを事前に登録しているため、無関係なユーザーを排除できます。
情報漏洩のリスクが抑えられ安心して活用できる仕組みづくりがされています。
また、会員であっても視聴者の権限を設定できるため、企業であれば部署ごとに分けた動画の配信視聴も可能です。
基本機能としては、ライブ配信機能やライブ動画録画時刻表示機能、ライブ動画自動分割アーカイブ機能などがあります。
視聴機能としては、早送りや巻き戻し機能を始め、動画並べ替え機能や検索機能があるので、使い勝手の良いシステムにカスタマイズできます。
コメント機能や評価機能も付けられます。APIも提供されているので、他システムとの連携も可能です。
動画配信システム④Bizlat
Bizlatは、システム機能の拡張や既存システムとの連携、ASPサービスの展開など、自社に合わせた機能の拡張やカスタマイズが柔軟に行えます。
Googleフォームとの連携が可能で、動画再生時にはクイズやアンケートを表示でき、ユーザーの反応を瞬時に得られます。
添付された資料も動画と一緒に表示できるため、理解度アップを図ることも可能です。
その他にも自動翻訳機能や字幕AIといった機能があり、視聴してもらいたい動画を目立たせるサムネイルの画像サイズの拡充や関連動画の連続再生機能なども搭載されています。船員スタッフによる迅速なサポートもあるので安心して利用できるでしょう。
動画配信システム比較一覧表
動画配信システム |
①viaPlatz |
②Vidnoz Flex |
③クラストリーム |
④Bizlat |
おすすめ度 |
☆☆☆ |
☆☆☆☆☆ |
☆☆☆☆ |
☆☆☆ |
機能 |
簡易動画編集
アクセス制限
スライド連動
|
オンライン上での動画編集
詳細なオーディエンス分析指標の取得
動画メールマーケティング
|
多彩な視聴機能
動画コンテンツの課金機能
APIの提供
|
Googleフォーム連携
SEO対策・検索結果表示
SNS連携
|
カスタマイズ有無 |
あり |
あり |
あり |
あり |
種類 |
クラウド型 |
クラウド型 |
オンプレミス型 |
オンプレミス型 |
配信方法 |
ストリーミング |
ストリーミング |
ストリーミング |
ストリーミング |
料金 |
初期費用:50,000円~
月額費用:100,000円~
|
¥13,200/年 |
問い合わせ |
問い合わせ |
Vidnoz Flex動画配信システムの構築流れ
Vidnoz Flexを活用する場合の構築の流れを解説していきます。
ステップ1:新規登録して無料プランの機能を試す
ステップ2:必要な機能が有料プランに加入する必要があるかどうかを確認する
ステップ3:答えが「必要」な場合はカスタマイズについて問い合わせる
簡単なステップでの利用が可能です。無料版もあるので気軽にサービスを試せます。
包括的な動画作成・自動化プラットフォームーVidnoz
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動画配信システムについてのまとめ
今回は、動画配信システムの基礎知識やサービスの選び方をご紹介してきました。
動画配信システムといっても、サービスごとに提供している機能には違いがあります。
目的を達成させるためにも自社に合ったサービスの利用が不可欠です。
機能面やサポート体制、カスタマイズの有無など、様々な部分を見て利用を検討しましょう。
その際には、上記でご紹介したおすすめの動画配信システムも参考に、自社に合ったサービスを選んでみてください。